はじめに
最近、人気の自作キーボード周りの情報を追っかけるのにハマっています。昨年末に以下のようなつぶやきをしたところ、たかしすきーさんが何と所望のキーボードを作ってくれたのがきっかけです。
左右分割できるキーボードで真ん中あたりのキーがオーバーラップしてるヤツ欲しい...
— 凹 (@hecomi) 2018年12月1日
「図」を用意してくれれば試作しますよ。
— たかしすきー (@takashiski) 2018年12月1日
今回は解説記事とかではありませんが、たかしすきーさんにキーボードを作ってもらった話や実際にはんだ付けして Corne Cherry を作ってみた流れや、買ったキーボードとかを書こうと思います。
hecomi_alpha キーボード
最初は教えていただいた Keyboard Layout Editor を編集しました(編集と言っても作ってもらった配置から H キーを除いただけですが)。
www.keyboard-layout-editor.com
私は打つキーの組み合わせによってより早く打てるように打つ指が変わる癖があります。例えば「やま」と打つときは左手の人差し指で Y、右の人差し指を M で待ってるようにしたり、「ぼたん」と打つときに右手の人差指で B を押しに行って左手は T で待機するようにしたりしています。H キーは普通に打っているときは左手で打つことはないので省きました。なので結果として、左右に別れた HHKB で真ん中が凹んでいる以下のようなレイアウトになりました。
そして 1 ヶ月とちょっと経った日(早い!)に、何と完成品を受け取ることが出来ました!
最高のキーボードを受け取ったゾ!!! made by @skyhigh_works @takashiski pic.twitter.com/ns0XLQu3t5
— 凹 (@hecomi) 2019年1月12日
キースイッチは Gateron Silent Red です。キーキャップはその一週間後に自作キーボード専門店の遊舎工房に行って Miami Night を買いました。また同時に TRRS ケーブルと呼ばれる左右のキーボードを繋ぐ 4 極のケーブルの自作キット(通称 にるぽケーブル)を店舗で買い、はんだ付けして作成しました。当時はキーキャップの種類について良く分かってなかったのですが、Miami Night は SA プロファイルと呼ばれるタイプのキーキャップで結構高さがあったため、パームレストとキーボードを持ち上げるスタンドを買って以下のようになりました。
ノートPC用の着脱が簡単なスタンドを裏に取り付けてみた。あとアームレストも買った。 pic.twitter.com/SDHYdr2wE8
— 凹 (@hecomi) 2019年1月21日

REMAX ノートPCスタンド ノートパソコンホルダー 冷却 放熱 猫背改善 コンパクト 繰り返し使用 猫背改善 軽量 薄型 15インチまで対応 2枚入り ブラック
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後はファームウェアを焼く必要があります。ファームウェアは qmk_firmware というオープンソースの素晴らしいものがあり、主要な自作キーボードのファームウェアが大抵含まれています。なんとこの hecomi_alpha と名付けられたキーボードのファームも本家にプルリクが送られマージされたようです🙌
Mac で作業を行ったのですが、Getting Started を参照して homebrew で環境を整え、make して本体のリセットスイッチを押すだけでファームが書き込めてとても簡単にキーマップを編集できました。今は以下のようなマップになっています。
未だ幾つか在庫があるようなのとビルドガイドも公開されたので、もし HHKB の形は変えたくないけど分割したくて真ん中がオーバーラップしていてほしい、みたいな方は連絡を取ると手に入るかもしれません!
資金がかなり辛いので不特定多数に販売するのをかなり悩んでたHHKB layoutの分割キーボードの試作基板を放出したいと思います。興味ありそうな方にお声かけいただけると嬉しいです 🙇🙇🙇
— 天高 (@skyhigh_works) 2019年2月25日
現在数人のもとで元気に動いてると聞いているので動作に問題はないはずです。
今は会社で毎日活躍しています。Gateron Silent Red の打鍵音が静かで且つとても軽いので、最近は HHKB が重すぎて打てなくなってきてしまいました。キーボードの配置も同じなので特に移行も問題なく、肩も開くので肩こりも減ってきた気がします(?)。
情報集め(買った本 / 見てるサイト)
コミュニティ
使い始めて分割キーボードが欲しい!欲求が変化して、自作キーボードそのものに興味を持ち始めたのでいろいろ情報を見始めました。色々と教わり、まずは以下の Discord のコミュニティと Scrapbox の有志によるまとめを見始めました。
本
後は本も幾つか読みました。
その他サイト
また、定期的に Reddit の /r/MechanicalKeyboards/ を覗いたり、Massdrop というグループバイ形式のサイトも何か面白いアイテムが出てこないか毎日チェックしています。
他にも Pinterest を覗いたり、自作キーボード界隈の有名な方々をフォローして Twitter で観察したりしています。
配信
毎週日曜日にぺかそさんとびあっこさんが配信されているほぼ週刊キーボードニュースは毎週動画で見れて楽しいのでオススメです。
他にも面白そうなサイトや本などがあったら教えてください!
Planck の注文
ふと Massdrop を眺めていて Planck キーボードの B 級品の緑のアルミケースが欲しい!と思って注文しました。
ケースは未だ届いてない(2月下旬発送予定が少し遅れているらしい)のですが、キーキャップは WASD Keyboards で買って以下のようなドット絵キーボードを作りたいなと考えています。
キーキャップが届いたゾ pic.twitter.com/WtvqQzuzvh
— 凹 (@hecomi) 2019年2月2日
トッププレートはカーボン製のものを Keycapsss で買いました。
Planck のカーボン製トッププレートがドイツから届いた pic.twitter.com/LXeK9gEp0R
— 凹 (@hecomi) 2019年2月7日
ただ、PCB は本家 OLKB で買ったのですが、Reddit を覗くと去年の秋あたりに注文した人も未だ届かないよ~、と言っていたので気長に待とうと思います。
Meishi / Corne Cherry 作成
気長に待とうと思ったのに待ちきれなくて 2 週間ほど前に出舎(遊舎工房に行くこと)してしまいました。店頭で店員さんに色々教わりながら見ていたら Corne Cherry に一目惚れしてしまってその場で買ってしまいました。また練習用に Meishi を購入しました。
はんだごては大学の頃から使っていたもので古く、また LED 取り付けには温度調整付きのものが必須なのでこれを機に新調しました。その他、Corne Cherry にはとても小さな SMD(表面実装)部品が多いので、精密ピンセットや逆作用ピンセットなど必要なものを一通り揃えました。
Meishi
Meishi Keyboard はビルドログに従って作成すればとても簡単で、qmk_firmware のおさらいにもうってつけでした。
.@takashiski さんから貰ったキーキャップ良い pic.twitter.com/bjN39E1mCd
— 凹 (@hecomi) 2019年2月10日
Corne Cherry
Corne Cherry は組み立てに結構苦労しました。。その分、愛着も湧いています。以下のビルドガイドに従って組み立てを行いました。
遊舎工房さんで衝動買いしてしまった corne cherry、ご飯食べたら始めてみよう pic.twitter.com/RKnx557KP9
— 凹 (@hecomi) 2019年2月11日
全キー動くっぽい pic.twitter.com/O0U9DqI7Nt
— 凹 (@hecomi) 2019年2月11日
ダイオードの取り付けまでは割と順調に進みました。次に行った Kailh のスイッチ用PCBソケットを取り付ける際に、PCB に白色で取り付けの向きがしっかり描いてあるのに反対向きで付けてしまって取り外すのがちょっと大変でした(失敗時の写真は取り忘れてしまいました)。。またスプリングピンヘッダは基板側ははんだ付けしなくて良い、というのを知らずにはんだ付けしてしまいました。。
そして、問題の LED 取り付けです。
やっと光った...(牛歩の歩みだった) pic.twitter.com/zMT7KD4QPD
— 凹 (@hecomi) 2019年2月12日
ビルドガイドに「すべて正常にはんだづけができれば下記のように光ります」と書いてあるので、最初はすべてはんだ付けしてから確認して、うわー!つかない!とやっていましたが、1 から順番につけていけば回路がつながって 1 個からでも光るのを知ったので、2 枚目からは逐次チェックしながら試せて便利でした。この時、Pro Micro と USB ケーブルの抜き差しが頻繁に起きるので、次のような磁石でくっつくケーブルを買っておくと便利だと思います。
キースイッチは Gateron Silent 茶にしました。リニアが好きだったのですが、出舎したときに色々試していたら意外と気持ちいい!となったのが決め手で直感通り今も気に入っています。キースイッチを格好良い PCB プレートなトッププレートにはめてソケットにグッと入れていくのですが、何本か曲げる際に足が曲がってしまいました。差し込んだ後にキーを押して反応がないものは引き抜いてペンチで足を真っ直ぐにしてからまた挿す、みたいなことを 4、5 個のスイッチに対して行いました。
組み上がって全キー動いた(2個はんだ付け忘れてて動かなくて焦った)。後はにるぽケを作ります。 pic.twitter.com/h4oABJ1HFL
— 凹 (@hecomi) 2019年2月13日
後はキーキャップを付けて完成です。
キーキャップ届くまでしばらく緑で行く pic.twitter.com/uepkOwBJ9f
— 凹 (@hecomi) 2019年2月16日
と思いきや最初は左手側のどこかの LED のハンダ付けが駄目みたいでレインボーな感じになってしまっていました(当時は何か格好いいな~程度にしか思ってませんでした)。怪しそうな場所を何度かハンダを盛ったら直りました。現在はキャップは黒にしています。1.5U なキーキャップがないのでどこかで仕入れたいです。。
ケーブルは、にるぽケを作成する際に締める金具部分の向きを間違えたのをグルーガンで止めてしまった後に気づいて駄目にしてしまったので...、市販のものを買いました。Corne は 3 極のケーブルでも動くように設計されているようなので、Amazon で細いケーブルをポチって使っています。
Column-Staggered の配列に慣れてないせいでタイピング速度自体は落ちてしまいました。具体的には、タイプウェルの国語Rというお気に入りのタイピングソフトで、HHKB だと 40 秒なのが、最初は 120 秒ほどで、今は練習して 60 秒ほどにまで来た感じです。ただ指の動きを最小限にする事ができる気持ちよさと Gateron Silent Brown が結構お気に入りで毎日ちょっとずつ練習しています。
KiCad の勉強
やっぱり Endgame 目指して自分でも作りたい!と思い、最近は KiCad の勉強をはじめました。KiCad はオープンソースの回路図エディタとPCB配置設計のための統合環境です。以下の本をまずは読んで勉強しました。
そして、今は Corne の設計者でもある foostan さんの本に乗っている Petit Split を作るべく勉強しています。
何か成果が出たらブログにまとめようと思います。
おわりに
完全に沼です。家で普段使うようの Row-Staggered な分割も欲しくなったのと見た目が格好いいので Zinc も買ってしまいました、これから組み立てるのが楽しみです。
素晴らしいコミュニティによる充実の情報・サポートと、対象が毎日長時間使う道具という点、選択肢もカスタマイズの幅も広く、最終的には自分で作れる上にそのための情報もたくさんある、という趣味にはもってこいの題材だと思います(お金が飛んでいくのを除けば💸)。周りでも話す人話す人みんなハマっています。
ぜひみなさんもハマりましょう。